• Go to fullsize imageかかり易い病気・怪我

     

    特にかかり易い病気や風土病はありませんが、以下の注意が必要です。


    1. 狂犬病(Rabies):コウモリ、タヌキ、キツネなどの野生の哺乳類と接触することにより感染するウイルス疾患です。一般的な潜伏期間は1~2ヶ月で、発熱・頭痛・感冒症状などで始まり脳炎を引き起こします。発症後の致死率100%の疾患です。仕事上あるいは冒険家など動物に接触する可能性がある場合、動物好きな小さいお子さんを帯同される場合は、渡航前の狂犬病ワクチン接種をご検討ください。

     

    2. ハンタウイルス肺症候群(Hantavirus pulmonary syndrome ):アルバータ州を中心とした西部地域で発生しています。シカ(ディア)マウスが媒介するウイルス疾患です。発熱・両側性間質性肺炎を起こし、潜伏期は1~5週間です。上記マウスやネズミの乾燥した糞・尿・唾液を吸い込むことにより感染しますので、接触を避けることが予防です。

     

    3. ウエストナイル熱(West Nile fever):イエ蚊が媒介し発熱・脳炎を起こすウイルス性疾患です。潜伏期間は3~15日で、多くは不顕性感染(感染しても無症状)ですが、発症した場合には、発熱、頭痛、背部痛、皮疹などが生じ1週間程度で回復します。重傷化した場合には高熱、昏睡、震え、筋力低下などの脳炎症状が出現します。治療法はなくワクチンもありませんので、蚊に刺されないように注意することが必要です。30~50%のDEETか、7%か15%のPicardin含有の昆虫忌避剤を塗布して予防を行ってください。ノミやダニのいる地域に行く場合には、長袖のシャツを着て、長ズボンの裾は靴下の中に入れ、ブーツを着用し、皮膚の露出を避けましょう。

     

    4. ライム病(Lyme disease):野山に生息するマダニが媒介する細菌(スピロヘーター)感染症です。症状としては数日から数週間の潜伏期の後、発熱、筋肉痛、関節痛、遊走性紅斑と呼ばれる湿疹、神経症状などです。重傷化すると神経症状が長引くこともあり、やっかいです。抗菌剤で治療可能ですが、ダニに刺されないよう、野山に出る場合には(3)で記載の昆虫忌避剤の塗布、衣類などで予防を行ってください。

     

    5. 腸管出血性大腸菌O157(Enterohemorrhagic Escherichia coli0157):ベロ毒素を産生する大腸菌による腸管感染症です。3~5日の潜伏期を経て、激しい腹痛を伴う頻回の水様下痢、血便が症状です。有症者の6~7%に、溶血性尿毒症症候群または脳症などの重篤な合併症が生じます。抗菌薬などで治療をしますが、予防が肝心です。特に高齢者や抵抗力の弱いハイリスクグループに対しては、生肉又は加熱不十分な食肉を食べさせないこと、手洗いの徹底などの予防対策が重要です。他、食中毒の原因としては、カンピロバクター、サルモネラが頻度が多い状況です。上記と同様な予防対策が重要になります。

     

    6. 百日咳(Whooping cough):特有のけいれん性の咳発作を特徴とする細菌性の急性気道感染症です。1歳未満の乳児は重傷化しやすく、世界中で時に流行が見られます。抗菌薬で治療しますが、三種混合ワクチン(DPT)で予防可能ですので、必ず接種してください。

     

    7. 交通事故:外傷でもっとも多い原因は交通事故です。飲酒運転はしない、シートベルトの着用、子供用シートの着用、交通ルールの遵守などを励行してください。自転車やバイクに乗る場合には必ずヘルメットを着用しましょう。夜間の走行は出来る限り避けましょう。

     

    8. 性感染症(Sexually transmitted disease):ウイルス性感染やHIV感染を防ぐため、入れ墨・ボディーピアス・注射の際には針の共有は避けましょう。性行為においてはコンドームを使用し、リスクを軽減しましょう。

     

    9. アタマジラミ(Head lice):秋から初冬にかけ幼稚園、小中学校で、シラミ(特に頭)が発生しやすくなります。学校によっては、「Head lice guidelines for school」というお知らせを出すところがあり、シラミが見つかった場合、治療をして、シラミがいなくなるまで学校を休ませなければなりません。子供には、帽子や櫛などを共有しない、頭のかゆみなどの初期の症状に気を付け、家族や他の生徒にうつさないなどの、注意を促す必要があります。薬局でシラミを殺すための櫛付のシャンプーが多種売られています。薬品を使わずにオリーブオイルや酢を使う方法などもあります。
    参考:http://www.ontario.k12.or.us/index.php?id=3083

     

    10. ツタウルシ(Poison Ivy): 北アメリカの東部から中部に広く分布しています。明るい森林や灌木帯、荒れ地などに生え、公園や家の裏庭にも見られます。他の樹木などに気根を出して這い登り、高さは15メートルほどになります。接触したり、その毒がついた道具などを触ったりした場合に、ひどいかゆみと発疹、水泡などの皮膚炎をおこします。接触したらすぐ水で洗い流してください。薬局で塗り薬も買えますが、症状がひどいときは病院に行くことをお勧めします。ハイキングや庭仕事をするときは、なるべく肌を露出しないような服装をお勧めします。