リドレス合意25周年記念行事

 


 9月29日、当館講堂において,オタワ日系人協会及びオタワ日系文化センター共催の下,リドレス合意25周年記念行事が開催されました。「リドレス合意」とは,第二次世界大戦中及び大戦後の日系カナダ人の取り扱いが不当であったことを認め,1988年9月22日にマルルーニ首相(当時)が議会でカナダ政府が補償(個人補償として2万1千ドル,日系カナダ人コミュニティに1,200万ドル,カナダ人種関係基金に1,200万ドル)を行うとの決定を発表した出来事を示します。

 

 出席した奥田大使は,冒頭挨拶において,リドレス合意の意義に触れ,日系人の地位向上及びカナダにおける豊かな多元的社会の構築に尽力した日系カナダ人の方々の功績を称えました。また,今日様々な分野で活躍している日系カナダ人の方々がカナダの多文化社会を築く上で積極的な役割を担っており,日本とカナダの関係の促進に多大に貢献していると述べました。

 

 記念行事では,ブリティッシュ・コロンビア州タシュメにて子供時代に強制収容を経験した日系カナダ人の証言を集めた「タシュメ・プロジェクト」の発起人であり,自身も日系カナダ人であるジュリー・タミコ・マニング氏とマット・ミワ氏が対話劇をとおして証言を再現した他,グレッグ・マスダ監督のドキュメンタリー映画「リドレスの子供たち」が一部上映されました。


 また,カナダ政府で元リドレス事務局長を務めたアン・スコットン氏や当時リドレス運動に参加したサチコ・オクダ氏がリドレス合意に至る道のりや当時の状況について語った他,オタワ日系人協会の理事会メンバーのシェーンホーファー裕美氏や日系4世のケンジ・トカワ氏がリドレスについてスピーチを行いました。

 

 カナダにおける日系人の歴史を振り返り,参加者がそれぞれの視点からリドレス合意を見つめ,歴史の教訓を将来に伝えていくことの大切さについて考えさせられる行事となりました。

 

 

  

奥田大使による冒頭挨拶

オタワ日系人協会ジェニファー・マツナガ会長による挨拶

   

マニング氏とミワ氏による対話劇

会場の様子

   
リドレス合意について語る(左より)スコットン氏、オクダ氏、シェーンホーファー氏、トカワ氏