麻疹(はしか)の発生:オタワ市

 

 

 

 オタワ市西部Stittsville のSt.Stephen Schoolの生徒が麻疹(はしか)に罹患したとのニュースが発出されています。フィリピン旅行から帰国して麻疹を発症したこの生徒の学校、通院した病院として次の場所・日時が情報公開されています。


○St. Stephen School(1145 Stittsville Main St, Stittsville, ON K2S0M5)
○the Med-Team Clinic on Kakulu Road in Kanata (between 8:45 a.m. and noon on Feb. 25)
○the Active Care Clinic on Klondike Road in Kanata (between 9:30 a.m. and 1 p.m. on Feb. 27)
○CHEO’s emergency department (between noon and 2:20 p.m. on Feb. 28)


 上記場所に、同時期に行かれた可能性のある方、十分ご注意ください。
 下記の麻疹を思わせる症状が見られた方は、ワクチン未接種の方に接触しないよう外出を控えるようにとの指示がオタワ市保健局より出ています。医療機関を受診される場合には、必ず事前に電話でご相談するようにして、無用の感染拡大を防止してください。下記に連絡して相談するとも可能です。
Ottawa Public Health Information Line: 613-580-6744

 

麻疹(はしか)の主な症状
 麻疹は空気感染できわめて感染力が強く、予防接種を受けないで感染機会があると必ずかかる重い病気です。咳やくしゃみなど、ウイルスを含んだ空気を吸い込むことで感染します。潜伏期は10日~12日です。発熱、せき、鼻汁、めやに(結膜炎)、口腔内の小さい白い斑点(コプリック斑:写真1)、発疹(写真2)などを主症状とします。熱・咳などの症状が出現する1日前から発疹出現後4~5日くらいまで周囲の人に感染させる可能性があります。
 最初3~4日間は38℃前後の熱で、一時おさまりかけたかと思うとまた39~40℃の高熱と発疹が出てきます。高熱は3~4日で解熱し、次第に発疹も消失しますが、しばらく色素沈着が残ります。合併症がなければ、主な症状は7~10日でほぼ回復します。倦怠感が強いため、特に成人の場合、体力が戻るまで1ヶ月近くかかることもあります。合併症としては、気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎などがあり、約30%に併発するといわれています。回復後も変異した麻疹ウイルスが脳内に潜伏し、数年あるいは10年以上経過後に発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という慢性に経過する脳炎が、ごくまれですが発生することがあります。
 麻疹は予防接種で確実に防げる病気です。カナダでは生後1歳頃に1回目、その後就学前4~6歳時に2回目の接種を試行しています。必ず予防接種を受けておきましょう。予防接種記録がない場合、登校を許可されないことがあります。


麻疹の詳しい日本語の情報は下記でご覧ください。

麻疹Q&A (国立感染症研究所)

 

なお、日本を含め世界的にも麻疹の流行(輸入例)が問題になっています。

○ニュース概要:3月7日(金)オタワシチズン

“Public health officials search for 200 families exposed to measles virus”
「200家族、麻疹感染者と接する」
オタワ市公衆衛生局の職員は、昨日発表された、2011年以来の麻疹感染患者の発覚で、この患者と接したと思われる約200家族の追跡に追われていると言う。この患者は先週金曜日から他者へ感染させる可能性があったとし、金曜日から接触のあった児童とその家族の追跡を行っていると言う。この感染した児童の通うStittsville のSt.Stephen Schoolでは、すべての児童に予防接種の記録を提出するよう呼びかけている。そして、この予防接種の記録を提出しない児童には、公衆衛生局から休学命令が昨日言い渡された。現在のところ、2次感染者は明らかになっていない。

 

 


写真1 写真2