在カナダ日本国大使館大使 石川薫着任挨拶

 

 

 

 この度、カナダに新任の日本大使として着任致しました。

 美しいカナダで働く機会に恵まれましたことを嬉しく、また、光栄に存じます。

 

 日本とカナダの両国は、自由、民主主義、人権、法の支配、市場経済等の共通の価値観を分ち合っています。そうした中で、日本は、アジア地域の中で最も成熟した議会制民主主義を有し、かつ市場経済が最も発達した国として、カナダの信頼できる枢要なパートナーであります。

 

 皆様ご存知の通り、2008年から09年にかけて、両国は日加修好80周年を祝いました。カナダのスティーブン・ハーパー首相は2008年のG8北海道洞爺湖サミットの際日本を訪問され、二国間首脳会談も開かれました。

 その翌年、ミカエル・ジャン総督の御招待により、天皇皇后両陛下がカナダへ歴史的な御訪問をされ、大陸を東から西へと横断され様々な人々とお会いになりました。

 ごく最近では、菅直人総理大臣がG8・G20サミットに出席するためにカナダを訪れ、ハーパー首相と二国間首脳会談を行いました。

 このような一連の交流は両国の強い絆を更に強めたものと存じます。

 

 カナダは、多様性をモットーとしていると承知しています。多くの日系カナダ人が、教育、技術、政治等、多岐の分野において、貴重な貢献を果たしてきていらっしゃることに敬意を表します。また日本からは毎年34万人の方がカナダを訪問し、カナダからは、ワーキングホリデーやJETプログラム(Japan Exchange and Teaching Programme)などを通じて日本を訪れている若い世代のカナダ人を含め、毎年約15万人のカナダ人が日本の地を訪れていることを喜ばしく思います。こうした方々こそは、日本とカナダ相互の言語と文化を紹介し合う役割を果たし、日加友好の絆を広げている担い手としての大使であると確信しております。

 

 さて、今日のグローバル化された世界で、日本とカナダは、共に環境、開発、科学技術等の地球規模の問題に取り組んでいます。そうした中で、一人一人が力を合わせることによって、より良い世界が実現されるものと信じております。これから、カナダの様々な地域とそこに住む方々をお訪ねし、皆様のご支援、ご鞭撻を頂戴しながら、両国の友好関係の一層の増進に努めて参る所存です。どうぞ宜しくお願い致します。

 

在カナダ日本国大使 石川 薫

 

大使略歴