12月5日、石川大使公邸において、マルルーニー元首相に対する旭日大綬章の伝達式が行われました。
マルルーニー元首相は、第二次世界大戦の際に、罪もない日系カナダ人が、先祖が日本から来たというだけの理由でカナダ政府により、強制収容、財産没収、大学や学校からの退学、市民権剥奪、故郷からの追放等の人権侵害を蒙ったことにつき、長年にわたって心を痛められ、野党時代から政治家としてその解決に取り組む決意を明確にされてきました。マルルーニー元首相は、政権に就いた1984年以降、カナダ政府として本件問題の解決を実現するために真摯かつ精力的に取り組まれました。
その結果、日系カナダ人の名誉回復を図り、また補償を行うことにつき日系カナダ人との間で最終的に合意するに至り(リドレス合意)、1988年9月22日議会で日系カナダ人の名誉を回復するための演説を行いました。右演説を受けて、当時の野党の自由党やNDP(ブロードベント党首)の代表は、この歴史的な英断を讃える演説を行いました。マルルーニー元首相は、この勇気のある歴史的なリドレス合意のみならず、日加科学技術協力協定やワーキング・ホリデー協定の締結、また日加フォーラム2000の設立等の未来志向の日加両国関係強化等を次々と打ち出しました。
このようなマルルーニー元首相の偉大な功績に対し、日本政府は、本年11月3日旭日大綬章を叙勲する旨発表しました。
ブライアン・マルルーニー元首相は1939年ケベック州ベ・コモ生まれ、1984年から1993年までカナダの首相を務めたほか、現在はノートン・ローズ法律事務所にてシニア・パートナーを務めています。
12月5日の旭日大綬章の伝達式に際し、スティーブン・ハーパー首相、中曽根康弘元総理大臣、玄葉光一郎外務大臣からの祝辞が伝えられ、また、同式典にはベバリー・オダ国際協力大臣、ジェイムズ・フラハーティ財務大臣、ディヴィッド・トカチャック加日議連共同議長(上院議員)、マイク・ウォラス同共同議長(下院議員)、エド・ブロードベント元NDP党首、デレック・バーニー元首相補佐官・駐米大使、在オタワの日系カナダ人関係者などが出席し、マルルーニー元首相の叙勲をお祝いしました。 |