就任挨拶

令和8年9月17日
 このたび、駐カナダ大使として赴任してきました中込正志です。9月15日に、信任状をルイーズ・アルブール総督に捧呈し、大使としての正式な活動を開始いたしました。


Photo credit: Ms. Anne-Marie Brisson, Rideau Hall © OSGG, 2026
 

 日本とカナダの外交関係は、1928年7月、日本がカナダに公使館を開設したことに始まります。それからまもなく100年を迎えます。
 
 今日、日本とカナダは、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を共有する信頼できる緊密なパートナーです。G7メンバーとして、共に国際社会の平和と繁栄を主導していくパートナーでもあります。近年、カナダは、「インド太平洋戦略」を通じ、インド太平洋地域への関与を深めています。本年3月のカーニー首相の訪日の機会に、両国関係は「包括的戦略的パートナーシップ」へと引き上げられました。
 
 現在の日加関係は、政治・安全保障、経済、文化、スポーツ、人的交流など、幅広い分野にまたがる力強い関係へと発展しています。今日の関係があるのは、長年にわたり両国の架け橋となってこられた多くの先人の努力の積み重ねがあってこそにほかなりません。
 
 しかし、私は、日加関係にはなお大きな発展の可能性があると考えています。
 
 地政学的緊張が高まり、世界経済をめぐる不確実性が増す中、エネルギー・農業大国であり、豊富な重要鉱物を保有するとともに、高い研究開発力と技術力を備えたカナダは、経済安全保障の観点からも重要なパートナーです。日本とカナダは、お互いの強みを生かすことで、エネルギー安全保障、重要鉱物、先端技術など様々な分野で互恵的な協力をさらに発展させることができます。
 
 太平洋と大西洋をつなぐ位置にあるカナダとの防衛・安全保障分野での協力は、近年急速に深まっています。「グローバル戦闘航空プログラム」(GCAP)にカナダがオブザーバー参加するなど、今後もさらに強化していくことができるでしょう。人的交流もさらに深めていきたいと思います。本年3月に両首脳がまとめたロードマップを着実に実行し、両国の関係をさらに深化させていきたいと考えています。
 
 私は、2028年を単に100周年を祝うだけの年にはしてはいけないと考えます。この節目を、これまでの100年を振り返ると同時に、これからの日加関係の新たな100年に向けて、両国の関係をもう一段高いレベルへと引き上げる重要な機会にしたいと考えています。
 
 このために大使として全力で取り組んでまいります。皆様のご指導、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。