「日本のグリーン成長戦略とカナダとの協力」 CBCラジオ「The House」川村泰久大使インタビュー(1月23日)

2021/2/3


 
同ラジオホームページ上の以下リンクに掲載(下記ポッドキャストで聴取可能(最初から42分30秒後から7分程度))。
https://www.cbc.ca/listen/live-radio/1-64-cbc-news-the-house/clip/15820396-bidens-week-payettes-last
 
(CBC):日本のグリーン成長戦略、同戦略における水素の役割はどうか。
(川村大使):日カナダはカーボンニュートラルの目標を共有。日本は、昨年,2050年までのカーボンニュートラルを目指すことを宣言するとともに,同12月にはそれを実現するための「グリーン成長戦略」を発表した。その戦略の重点項目として、次世代蓄電池技術やカーボンリサイクル、そして水素があげられている。
 
CBC):日カナダの協力の可能性について。
川村大使):日加間には幅広い分野において協力可能性がある。カナダ連邦政府は、気候変動対策への政府投資も含めた「A Healthy Environment and A Healthy Economy」戦略とともに、水素戦略や小型モジュール原子炉アクションプランも発表している。これに対して日本政府・産業界も高い関心を寄せている。日本の「グリーン成長戦略」もカナダと共通の目標を有している。日加エネルギー関係省庁の間では、日加エネルギー対話が行われており、石油・天然ガス、二酸化炭素回収・利用・貯留/カーボンリサイクル、水素、原子力等の分野での協力を協議している。
 
CBC):日系企業はどのような投資に関心を有するのか。
川村大使):水素は2050年におけるカーボンニュートラルの実現に向けて不可欠なエネルギーである。カナダやEUも同様と承知しており、国際的に水素の社会実装に向けた動きが加速している。日系企業の取り組みの例を挙げるならば,既に水素を燃料とする燃料電池車「ミライ」を生産し、カナダ(モントリオール)でも販売を開始している。まさに水素自動車という「未来」が既にこのカナダにおいて実現していると言える。他方、水素の社会実装を実現するためには,供給コストの低減やインフラ整備などの様々な課題があり、国際連携、特に日加間における連携も実現に向けた鍵となる。
 
CBC)ホール編集委員:パイプラインの建設などのインフラ整備や水素生産過程における二酸化炭素排出の課題についてどのように取り組んでいくか。
川村大使):確かに水素の供給にあたっては、製造コスト及び供給インフラ整備の課題があり、これらの課題についても加と連携して取り組んでいかなければならない。水素はカーボンニュートラル実現のために不可欠なエネルギーであり、再生可能エネルギー、二酸化炭素回収などと併せて、新技術の開発等に取り組んでいく必要がある。
 
CBC):日カナダ両国のビジネス関係者からは、加は中国やインドへの関心はほどほどにして、アジア太平洋地域の同盟国、貿易相手である日本に対する関心を高める必要があるとの声が聞かれるが、その声は加政府に届いており、両国はより強いパートナーシップを結ぶことになるのだろうか。
川村大使):日加は、G7、G20の加盟国であり、経済のみならず,外交・安全保障分野においても日カナダは非常に密接に協力してきている。エネルギー・気候変動分野やエネルギー安全保障面でも協力している。安倍前総理とトルドー首相は「自由で開かれたインド太平洋」における戦略的パートナーシップについて合意しており,菅総理の下でもこの合意が引き継がれている。このビジョンは包括的な取り組みとなっており,例えば、カナダから日本に対するLNGの輸出もエネルギー安全保障の観点から重点政策として含まれ得る。ただご指摘のように,カナダ国民の日本への関心を高めることも引き続き重要であり、日カナダが共有する政策目標に関しこのインタビューが発信の機会を与えていただいたことに感謝する。