戦後80周年記念 ドキュメンタリー映画「故郷の風景」上映および 監督パネルディスカッションの開催

令和7年8月23日
 8月23日、当館は、戦後80周年記念事業として、オタワ日系協会(OJCA)との共催で、ドキュメンタリー映画「故郷の風景(原題:Landscapes of Home)」の上映会を講堂にて開催しました。上映会には本作品の監督であるアリス・シン氏、プロデューサー川邉・ブラウン栄子氏、また当作の主人公のひとりであるオタワ在住の日系カナダ人・ヘンリー隆典・シバタ氏が出席し、上映後にパネルディスカッションを行いました。
 
 上映に先立ち、山野内大使は冒頭挨拶にて、本年は、広島・長崎への原爆投下から80年を迎えるが、この悲惨な出来事を繰り返さないためにも我々は歴史から学ぶ必要があり、この作品を通じて世界平和を達成するために我々が如何に行動すべきかを考えることが重要である旨述べました。
 続いてキャロライン・イシイ全カナダ日系人協会エグゼクティブディレクターが挨拶を行い、戦時中に日系人が経験した強制収容について触れ、歴史は出来事だけでなく、人間についても語ることが可能であり、歴史を語り継ぐことが重要である旨述べました。
 
 この作品はカナダ・バンクーバー生まれの日系カナダ人・ヘンリー・シバタ医師(1930年生)と、日本の名古屋で宣教師の家庭に生まれ育ったカナダ人・スチュアート・クーパー・ロビンソン医師(1921年~2011年)の二人の医師の人生を追ったドキュメンタリーで、第二次世界大戦時の日加関係が悪化する中で故郷から引き離された二人が、失われたアイデンティティを新しい土地で再生しながら、戦争の傷跡を乗り越えて行く様子が語られます。
 
 上映後にはOJCA元会長のメリッサ・カミバヤシ氏をモデレーターとして、シバタ氏、シン監督、川邉プロデューサーによるパネルディスカッションが行われ、製作に至るまでの背景や撮影秘話、平和への願いなどが語られました。
 
 会場には90人余りが集まり、二人の医師の波乱万丈の人生から平和への思いを新たにしました。
 
 
山野内大使による冒頭挨拶

 
イシイ・エグゼクティブディレクターによる挨拶

 
パネルディスカッションの様子

 
 
(左から)カミバヤシ氏、山野内大使、シバタ氏、シン監督、川邉プロデューサー