講演・ワークショップ「折り紙と切り紙:芸術から工学へ」の開催

令和8年7月11日
 7月11日、当館は広報文化センターにおいて「折り紙と切り紙:芸術から工学へ」と題して講演・ワークショップを開催しました。
 
 折り紙や切り紙は日本では長く親しまれてきた伝統的芸術ですが、近年では「折り紙/切り紙工学」として、最先端の科学分野へと進化を遂げており、今回はカナダでのその分野における研究者であるモントリオール理工科大学・機械工学科のフレデリック・ゴスラン教授とデイヴィッド・メランソン準教授を講師としてお迎えしました。
 
 講演に先立ち、当館の石井秀明臨時代理大使が挨拶を行い、折り紙や切り紙のような伝統的芸術がカナダで社会に新たな価値をもたらす技術として生かされているように、このワークショップが世界を多角的な視点で見られる素養を養う機会となることを望む旨述べました。
 
 最初にメランソン準教授が折り紙の歴史から発展、及びその安定性、工学への応用例などを解説しました。折り紙の発想を基に作成されたテントは緊急時の仮設シェルター及び宇宙探査時の滞在スペースへの活用が期待されています。
 
 続いてゴスラン教授は「切り紙」から着想を得たという、パラシュートのコンセプトを解説しました。このパラシュートの特徴は自由落下時に目標に向けて垂直に降下することで、目標地点へ正確に物資を届けことができ、また、安価に大量生産が可能なことから、災害時・紛争地帯での人道支援物資の投下などの用途が期待されています。
 
 その後の質疑応答では、それぞれの工学に用いられる素材や大きさなどについて、参加者から多くの質問がありました。
 
 講演後のワークショップでは、参加者は講師から提供された教材を使って、折り紙工学の応用例である「ミウラ折り」、「ナマコ折り」及び「双安定構造の星」を作成したほか、切り紙パラシュートの降下の様子を観察するなど、工学としての折り紙・切り紙の基礎を体感しました。
 
 
挨拶する石井秀明臨時代理大使

 
折り紙工学について解説するメランソン準教授

 
折り紙工学を利用したテント

 
切り紙パラシュートについて解説するゴスラン教授

 
切り紙パラシュート

 


ワークショップの様子

 
配布された教材 モントリオール理工科大学教授陣と大使館員