和紙レクチャー「伝統的かつインスピレーションを与える現代の素材」の開催

令和6年9月12日
 9月12日、当館講堂にて、トロント在住のナンシー・ジャコビ(Nancy Jacobi)氏を招いて和紙に関するレクチャー「伝統的かつインスピレーションを与える現代の素材」を開催しました。
 ジャコビ氏は1982年にトロントでは和紙の卸売と小売を扱う「The Japanese Paper Place」を設立し、約40年以上、ワークショップや講演会、展示会を通じて、カナダのみならず世界に向けてアーティストや一般の方々に和紙の魅力を発信し続けています。2021年には外務大臣表彰も受賞しました。
 
 冒頭、古谷徳郎次席公使が挨拶を行い、ユネスコ無形文化遺産にも登録された日本の伝統的な和紙への知見を深めつつ日本文化を楽しんでもらえることへの期待を述べました。ジャコビ氏からは、和紙の歴史や製法、和紙を製作する過程の説明とともに、和紙製作に携わる日本の技術を紹介し、和紙の特性について、普通の紙とは全く異なるものであるとの説明を行いました。様々な色や柄による和紙単独での芸術性に加え、多くの芸術品にも活用され、著名な画家も和紙を好んで使用していた例を紹介するなど、様々な面からの和紙を紹介しました。
 約80名が参加し、活発な質疑応答が行われ、サンプルとして提供された和紙に触れて、その奥深さに感銘を受けていました。
 
古谷次席公使による挨拶 講演会の様子 質疑応答の様子