門司大使のトロント出張

  

 2017年8月1日~4日,門司大使は,オンタリオ州・トロント市に出張し,全米日米協会連合(NAJAS)の年次総会に出席するとともに,レザ・モリディ・オンタリオ州研究・イノベーション・科学大臣を始めとする同州の各種要人との会談・意見交換を行った他,北米最大のイノベーション・インキュベーターであるMaRSの視察,国際交流基金トロント日本文化センターにおけるユネスコ世界遺産に関する講演会,アガ・カーン美術館訪問を行いました。

 

1.全米日米協会連合(NAJAS)の年次総会出席
 8月2日,門司大使夫妻は,佐々江駐米大使夫妻とともに,全米日米協会連合(NAJAS)の年次総会に出席しました。NAJASの年次総会は例年米国で開催されますが,今年は,NAJASのメンバーであるトロントの日本協会の主催で,初めてカナダで開催されるに至りました。門司大使は,冒頭の特別講演において,NAJASの活動への感謝を述べるとともに,カナダからの視点について触れ,日加米の三カ国関係を強化していく重要性を訴えました。また,その後の経済,安全保障等のセッションにも参加し,日加関係からの発言を行いました。

【リンク】門司大使の特別講演(英文のみ)

 

 

中山在トロント総領事(写真中央)主催の歓迎レセプションで佐々江駐米大使夫妻と

 

 

 

NAJAS年次総会冒頭特別講演を行う 門司大使

 

 

 

年次総会会場の様子

 

 

 

(左から)門司大使,シャピロNAJAS理事長,佐々江駐米大使,ケリーNAJAS会長

 

 

2.オンタリオ州の各種要人との会談
8月3日,門司大使は,以下のオンタリオ州の各要人との会談を行いました。


(1)レザ・モリディ・オンタリオ州研究・イノベーション・科学大臣
 門司大使はレザ・モリディ・オンタリオ州研究・イノベーション・科学大臣と会談し,科学技術協力分野における日加協力を含む二国間経済関係の現状等につき説明した他,第三回日加技術協力合同委員会のアクションプランに位置づけられている日本とオンタリオ州の各種科学技術協力案件を紹介しました。


 モリディ大臣からは,オンタリオ州は科学技術研究・開発を非常に重視しており,同分野において北米地域全体でも有数の経済圏である旨の説明があり,今後のさらなる日本との協力強化に対し期待が寄せられました。

 

 

モリディ大臣と門司大使

 

 

(2)ジャニス・フカクサ加インフラ銀行取締役会議長
 門司大使は,7月6日に加インフラ銀行の取締役会議長に就任したジャニス・フカクサ氏と会談し,同氏の取締役会議長への就任につき祝意を表するとともに,日加経済関係の現状につき説明し,カナダにおけるインフラ事業への参加に関心を有する日本企業の実績等を紹介しました。

 フカクサ氏からは,新たに設立される加インフラ銀行の役割等につき説明があり,日本企業のさらなる参画を歓迎する旨の発言がありました。

 

フカクサ氏と門司大使

 

(3)ダニエル・シュワネンC.D. Howe Institute副代表

 門司大使は,カナダ有数の経済系シンクタンクであるC.D.Howe Instituteにて,ダニエル・シュワネン副代表及びウェンディ・ドブソン前代表と会談し,日加経済関係の現状につき説明するとともに,NAFTAの再交渉やカナダのエネルギー政策等につき,率直な意見交換を行いました。

 

 

(左より)ドブソン前代表,門司大使,シュワネン副代表

 

 

3.イノベーション・インキュベーターMaRSの視察
 8月3日,門司大使は,北米最大のイノベーション・インキュベーターであるMaRSを視察しました。2005年に設立された同機関は,40社ほどのパートナー企業とともにベンチャー企業の立ち上げ・成長等を支援しており,現在支援を行っているベンチャー企業数は1,200社を超えます。改装された古い建物と新築のビルを組み合わせた広大な施設の内部は非常に開放的な空間であり,年間2,000件を超える各種イベントも開催されているとのことで,多数のベンチャー企業のプラットフォームとして活用されている様子がうかがえました。

 

 

MaRSの正面入口の前で

 

 

 

14万平方メートルの総面積を誇る施設内は多数のミーティングスペースがある 開放的な空間

 

 

 

 

科学分野でのトロントの貢献例:「インシュリン発見」の展示

 

案内のヒンドル常務取締役他

 

 

 

4.国際交流基金トロント日本文化センターにおけるユネスコ世界遺産に関する講演会
 7月7日から9月1日まで国際交流基金トロント日本文化センターで「日本の世界遺産展」が開催されている機会に併せ,8月3日,門司大使は,同センター内イベントホールにおいて,ユネスコ世界遺産に関する講演会を行いました。前ユネスコ代表部大使である門司大使は,約1時間にわたり,日本及びカナダの世界遺産登録サイト,世界遺産登録のプロセスや幾つかの世界遺産の検討の状況、世界遺産制度の直面する脅威や保存・保護の重要性,ユネスコへの日本政府の貢献等につき講演を行い,100名を超える来場者も最後まで興味深く聴き入り,講演後も活発な質疑応答がなされました。

 

 

 

清水国際交流基金トロント日本文化センター所長から写真展「日本の世界遺産展」の説明を受ける門司大使

 

 

 

清水所長による冒頭挨拶

 

 

 

講演を行なう門司大使

 

 

講演後も続く質疑応答

5.アガ・カーン美術館訪問
 8月4日,門司大使夫妻はトロント郊外に位置するアガ・カーン美術館を訪問しました。日本人建築家・槇文彦氏の設計による同美術館では,アガ・カーン財団の所蔵するイスラム美術品が多く展示されている常設展に加え,期間限定の企画展等も開催されています。門司大使夫妻は,イスラム教イスマイル派の総本山であるイスマイリセンターのトロント分館も併せて見学しました。

 

 

イスマイリセンターのトロント分館の前で

 

 

 

キム・アガ・カーン美術館館長(写真左)とともに

 

 

 

日本人建築家・槇文彦氏の設計によるアガ・カーン美術館

 

美術館内の展示の様子